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千葉県内でバス会社・タクシー会社を運営するビィー・トランセホールディングス株式会社。新たに役員となった金子孝さんをお迎えし、インタビューさせていただきました。常に前向きな姿勢に、学生インタビュアーたちも感嘆しきりでした!

 

まずは自己紹介をお願いします。どのようなキャリアを歩んで来られたんですか?

 

私は、学生時代は吹奏楽に明け暮れていました。高3になってから焦り、公務員になろうと公務員試験を受けたんですがことごとく落ちまして。やっぱり大学に行こうかなと思って先生に相談したら、「今からじゃ無理だ」と言われましたがそれでも何とかお願いして、推薦で遠く離れた北海道の大学に滑り込ませてもらいました。

そうして入った大学でもやっぱり部活ばっかりで、進路なんて考えもしませんでしたね(笑)。

就活の時期になっても特に行きたいところもなく、当時人気だった旅行業界にしようと、旅行代理店を一社だけ受けたんです。そうしたら、なぜか受かってしまって。その年には250人程の学生がその会社に応募していたんですが、四大卒の採用は私だけでした。運が良かったんでしょうね。

その会社は大手企業の子会社でした。私が配属されたのは極端に女性の多い部署で、同僚には羨ましがられましたが、僕はいわゆる「女の園」が嫌で。僕のネクタイの色が違うだけで、女子更衣室で噂の種になっていたという話を聞いて、「ああ、この会社は僕には無理だなあ」と思いました(笑)。

そんな頃、父が身体を悪くしていて、「帰ってきてくれ」と。

帰ってきてから建築資材の商社で営業を10年やりました。

 

今の会社に入られたのは、どういった経緯ですか?

 

結婚して、子どもも生まれて・・・。このまま行くのかなって思ったら、ふと考えがよぎったんです。

「俺がやりたかった仕事って何だったかな・・・」って。

そうしたら、「そういえば小学校の頃、バスの運転手になりたかった」と思い出しました。

まあ、ドアの開け閉めがしたかっただけなんですが(笑)。小学生のときには運転手さんの後ろに座って、「ああやってドアの開け閉めをしているんだ。僕もやってみたいな」って考えながら、ずっと観察していましたね。

そこで思い立って、営業をしながら大型2種免許を取って、初心者でも採用してくれるバス会社を探して入社したんです。それが今のグループ会社ですね。

 

夢だったバスの運転手になれたんですね。

 

そうです。念願のバスの運転手になって、楽しかったですね。

ですが、自分が想像していたよりも厳しい世界でした。バスを一日運転すると、一時間半くらいでかなり疲れます。立って乗っているお客様を、吊り革につかまらなくても安心して乗っていただけるように運転するにはすごく神経を使うんですよ。休みの日には、上手いと言われている運転手さんのバスにお客さんとして乗りに行って勉強しました。そうやって日々運転して、上手くなっているのが分かると楽しくてね。

ですが半年後、会社に呼び出されて、営業やってくれと言われてしまって。半年で営業になり、それから運輸部を兼務したり、企画部に入ったり総務に行ったり。いろいろな部署に行きましたね。ですがその後、管理部の役員になってくれと言われて。そのときに会社を辞めようと思ったんです。

 

えっ!?

 

立場が上になりすぎると、言いたいことも言えなくなってしまいますからね。

 

立場が上になるほど裁量権も上がって言いたいことも言えるし、魅力があると思うのですが。どうして辞めようと思われたんですか?

 

もちろん役員という立場に魅力がないわけではありません。ですが、軽はずみな発言はできなくなります。

自分の発言がどの部署にどういう影響を及ぼすのかを考えて話さなければいけないんですよ、それも瞬時に。

責任を負うということは、それだけの能力が求められるということです。私は好きに生きてきた人間なので、そういうのは性に合わなくて。

 

答えを待ってもらってはいけないんですか?

 

待ってもらっても良いんだけれど・・・。「そうねえ・・・うーん・・・どうしようねえ・・・?」っていう上司に、あなたは仕事の相談をしたいですか?

 

・・・したくないです(笑)

 

(吉岡)(そういう上司も)実際はいますけどね。

 

その後、社長と同行して会食に出ていたら、他の会社の社長さん方に「金子は役員になるから」と先手を打たれてしまって。観念して今ここにいる、というわけです(笑)。

 

でも、そこまでお勤めの会社をあっさり辞めようと思った、なんて、ずいぶん思い切りが良いなと感じます・・・。退職することに不安とかはないんですか?

 

自信がありました。役員にならずに辞めていたとしても、それはそれで別の道があったと思います。まあ、家族を食べさせてあげられるだけの力が自分には無いと感じていたら、そう思わなかったかもしれませんね。

 

(吉岡)僕がいつもみんなに言っている「自立した社会人になろう」というのは、まさにそこで。どうやって自分で動ける環境を作れるかというのがカギです。

 

営業において、自分の付加価値を上げるためには何をしていらっしゃいましたか?

 

営業に必要なものといえば商品知識などが真っ先に挙がると思いますが、皆さんは新入社員になったら、最初の研修できっと「電話をかけるときには、かけた相手が今忙しいかどうかを考えなさい」と教わるはずです。最も重要なのは、「自分よりもお客様のことを考えられるかどうか」ということ。結果は後からついてくるものだということを、私は学びました。

お客様のために何ができるかを考え、実践していくこと。そして私はそれを、乗務員と一緒に作っていきたいと考えています。

バスは、車両としてはどこもだいたい同じですから、違いは乗務員です。ですから私が売る商品はバスではなく、乗務員だと思っています。ASKAブランドとしてお客様のために何ができるかを乗務員が考え、実践する、その取り組み自体を付加価値としてセールスしていく。それが信用に繋がるのだと考えています。

 

信用と仰いましたが、人から信用を得るためには何をすれば良いでしょうか?

 

似た答えになりますが、「相手の立場を考えて実行する」と言うことです。

お客様の要望を叶えるために、どうしても社内の工場や協力会社などに無理を聞いてもらわなければならないときもあります。そのときに、それまでどれだけ相手のことを考えてきたかの真価が問われるんです。

お金を払っているから偉いとか、立場が上だから偉いとかいう考えは大間違い。そういう考えだと必ずいつか自分にしっぺ返しが来ます。ですから私は、協力会社様を一番に考えろ、大切にしろと教わりました。

 

お客様ではなく、協力会社が一番なんですか?お客様か、協力会社様か、どちらかを選ばなくてはいけないときにはどうするんですか?

 

もちろんお客様のご要望を叶えます。ですが、そのときに「金子の頼みだったら無理をしてやろう」と思えるような関係を普段から作っておく、ということです。全てを丸く収める能力、それが営業の能力なのだと思います。

 

常に学びの姿勢を持っていらして、すごいなあと感じます! そんな金子さんが、採用活動の際に学生を見るポイントって何でしょうか?

 

素直かどうか。それから、損得ではなく何かを一生懸命やってきていたかどうか。

あとは、どれだけ苦労してきたか、ですね。

嫌な思いをしたり、挫折を味わったりした経験のある人でないと、同じような人の痛みは分からないし、その苦労が懐の深さというか、その人の持つ言葉の重みとして表れます。

それから苦労したことのある人は、苦労することに対しても避けて通ろうと思わなくなる。避けてばかりいると、人間成長しませんから。「もう二度と絶対こんなことやりたくない!」と思えば、「やらないためにはどうしようか」と考えるようになるでしょう。

 

ありがとうございました。最後に、学生に対してメッセージをお願いします。

 

例えば今日、皆さんは今ここにいなくてもいいわけですよね。それでも、来ることを選んだわけです。つまり、人生は選択の連続で、自分が生まれてからの分岐点を選んできた結果として今ここにいるんです。

そこで、「どうして自分はこの道を選んできたのか」「どう判断してきたのか」を、ぜひ振り返ってみてほしいと思います。なぜ今の自分の性格が出来上がったのかがぼんやり見えるはずです。そうすればここから先、自分で選択をしなければならない分岐点に差し掛かったときに、過去を参考にできます。

そこに後悔や修正点、または未来への希望があるのであれば、そのように進んでいけばいい。

一番やってはいけない選択肢は、「何もしない」と言うことです。何もしなければ、そこから先の道は止まってしまいます。失敗をしても、「失敗をした」という財産が残り、その先にはまた分岐点が続いているのですから。